ウイルス対策ソフトはもはや安全な快適インターネットライフに必須である。同時に、ウイルス対策ソフトだけでは不十分である。何度も随所で説明していますが、Internet Explorerのセキュリティホールをふさがない限り、今回のKLEZや少し前に大流行したNimdaやBadtransのような、メールをプレビューするだけで感染する可能性があるウイルスを防ぐことは難しいのだ。
ウイルス対策ソフトはウイルス定義ファイル(パターンファイル)との照合によりウイルス(ワーム)かどうかの判断を行っていることは、先ほど述べた。ウイルス定義ファイルは、ウイルスが発生して以降にはじめて作成されるわけであるから、新しく発生したウイルスに対しては無力だ。そのために、あなたがもし、運悪く新ウイルスの発生初期にそのウイルスが添付されたメールを受信してしまったら、お陀仏なのだ。
必ず、下記のMicrosoftのサイトで説明されている
「不適切な MIME ヘッダーが原因で Internet Explorer が電子メールの添付ファイルを実行する (MS01-020)」
というセキュリティホールの内容を知って、パッチを当てるべきである。パッチを既に当てているかどうかをはっきり覚えていない人は、次のページを参照してください。
このセキュリティホールについて簡単に解説しておきましょう。今までのウイルス・ワームは添付ファイルをダブルクリックして実行しない限り感染することはないと考えられてきました。ところが、このセキュリティホールを悪用すると、本来、「保存しますか?」とプロンプトで聞いてくるはずのファイルでも自動的にダウンロードされ実行させることが可能であることが昨年分かりました。
このセキュリティホールを悪用したワームがそれ以降、次々と発生しているのですが、対抗策としては
- IEにパッチを当てる。ただし、ウイルスを直接ダブルクリックすればパッチを当てていても感染しますので、この点はお間違いなく。
- IEのバージョンを6にアップグレードする。このセキュリティホールはIE6はその影響を受けません。ただし、最小構成でインストールすると感染の危険性が残ったままなので、必ず標準構成以上でインストールしましょう。
- Outlook Express、Outlook以外のメールソフト※6を用いる。IEを使わずにNetscapeをブラウザに使っていても、Outlook ExpressやOutlookを使っていれば全く同じです。両ソフトはHTMLメールの表示にIEのコンポーネントを利用しているからです。
- Outlook Expressのプレビュー機能をオフにする。同機能をオフにする方法はこちら
- プロバイダのウイルスチェックサービスを利用する。ただし、100%安全ではありません。詳細はこちら
- Macに乗り換える。Macを標的にしたウイルス・ワームはほとんどありません。KLEZもMacユーザーには関係ありません。
などが挙げられます。
特に、「1」の「IEにパッチ」は必須です。では、既にパッチを当てたかよく覚えていない場合の調べ方を次のページで説明します。